堅物弁護士が占い好きな私に恋を教えてくれました
「ふたりでなにやってんの?」

 真後ろから大好きな低い声が聞こえた瞬間、彼の大きな手で肩を引き寄せられていた。

「羽瀬川先生! ……お疲れ様です」

 彼の腕の中で身をかがめながらも、副社長の前なのでかしこまってあいさつをした。
 出来れば手を放してほしいのだけれど、がっちりと力強く抱えられていてどうすることもできない。

「茅田さんに叱り飛ばされてたんだよ。見損ないました! とか、最低ですねって暴言まで……」
「は? なんだそれ」

 副社長が私たちの反応を楽しむかのようにクスクスと笑っている。
 たしかに怒りに任せてそういう言葉を発してしまったけれど、完全に“切り取り”だ。

「ふ、副社長!」

 おろおろしながら会話を止めると、副社長がたまらずブハッと吹き出すように笑った。

「たとえそれが本当だとしても、悪いのは勇気だろ。彼女がいきなり副社長のお前に対してそんなこと言うわけがない」
「そのとおり。全面的に俺が悪い。調子に乗りすぎた」

 副社長が私に向かって顔の前で両手を合わせる。こういう部分がおちゃめで憎めない人だ。
 御曹司なのに偉そうなところも一切ないから、会社でもプライベートでも周りの人たちに慕われていそう。
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