性悪陰陽師は今日も平気で嘘を吐く。
「…光さん」
「…」
「…光さん」
気づけば、光は類に抱きしめられていた。
「…そういうの、まじでいいから」
光は酷く惨めな声でボソボソと呟く。
「…うん」
「ほんと、迷惑だから」
「うん」
「だから、さっさとどこかに行ってくれ…」
「うん」
しかし、類は光の要求とは反対に、抱きしめる手に力を込める。
普通なら拒絶を意味するその言葉達が、何故か類の耳には優しく愛のある言葉に聞こえた。
「…貴方が泣き止んだら、どこかに行きます」
「泣いてねぇよ…」
「私には、泣いてるように見えます」
「泣いてねぇって!」
「嘘」
トドメの一言に光は黙り込む。
「…」
「…光さん、本当のことを教えて下さい」
「…」
すると、光は体勢を変えて自分に抱きつく類の身体を同じように抱きしめた。お互い抱き合うような形になった二人はしばらく無言のまま抱きしめ合う。
「折角逃してやろうと思ったのに…」
唐突に光はそう言うと、いつも身につけている黒のマスクを取り払う。
「全部のお前のせいだよ、類。お前が俺に優しくなんかしなきゃ俺はお前を逃したんだ。なのに、お前は…お前って奴は…」
光はどこか諦めた様にそう呟くと、類の顎に優しく手を添える。
「お前の言う通り、兄貴って設定は後付けだ。でも最初から関係性なんてのはどうでもいいと思ってる。大事なのは中身だ。お前がどう思って、俺がどう思ってるか」
「じゃあ、貴方は…」
光の発言に類は身体を強張らせる。しかし、光は獲物を捉えた狼の様にその身体を強く抱いて離さない。
「俺が得体の知れない男だと知って怖くなった?怖いよな、記憶も無くして、見ず知らずの男にこんな場所に連れ込まれて…。でも、ごめん。もう戻れそうに無い…。だって、俺はー」
お前を【愛してる】からさ。
小さな囁きを最後に、光は類の唇に噛み付くように口付けた。
「…」
「…光さん」
気づけば、光は類に抱きしめられていた。
「…そういうの、まじでいいから」
光は酷く惨めな声でボソボソと呟く。
「…うん」
「ほんと、迷惑だから」
「うん」
「だから、さっさとどこかに行ってくれ…」
「うん」
しかし、類は光の要求とは反対に、抱きしめる手に力を込める。
普通なら拒絶を意味するその言葉達が、何故か類の耳には優しく愛のある言葉に聞こえた。
「…貴方が泣き止んだら、どこかに行きます」
「泣いてねぇよ…」
「私には、泣いてるように見えます」
「泣いてねぇって!」
「嘘」
トドメの一言に光は黙り込む。
「…」
「…光さん、本当のことを教えて下さい」
「…」
すると、光は体勢を変えて自分に抱きつく類の身体を同じように抱きしめた。お互い抱き合うような形になった二人はしばらく無言のまま抱きしめ合う。
「折角逃してやろうと思ったのに…」
唐突に光はそう言うと、いつも身につけている黒のマスクを取り払う。
「全部のお前のせいだよ、類。お前が俺に優しくなんかしなきゃ俺はお前を逃したんだ。なのに、お前は…お前って奴は…」
光はどこか諦めた様にそう呟くと、類の顎に優しく手を添える。
「お前の言う通り、兄貴って設定は後付けだ。でも最初から関係性なんてのはどうでもいいと思ってる。大事なのは中身だ。お前がどう思って、俺がどう思ってるか」
「じゃあ、貴方は…」
光の発言に類は身体を強張らせる。しかし、光は獲物を捉えた狼の様にその身体を強く抱いて離さない。
「俺が得体の知れない男だと知って怖くなった?怖いよな、記憶も無くして、見ず知らずの男にこんな場所に連れ込まれて…。でも、ごめん。もう戻れそうに無い…。だって、俺はー」
お前を【愛してる】からさ。
小さな囁きを最後に、光は類の唇に噛み付くように口付けた。