性悪陰陽師は今日も平気で嘘を吐く。
リビングに戻ると光は何やら台所で作業をしていた。
「ひ、光さん…?」
類はどうしていいのかわからず、とりあえず名前を呼んでみる。
「なんだ、もう出たの?」
光は類に気がつくと、意外そうな表情で動きを止める。
「は、はい。ありがとうございました…」
一先ず一番風呂をいただいた礼を済ませると、光は「どういたしまして」と言って微笑んだ。
何となく光の態度が優しくなったのは気のせいだろうか?
「んなとこ立ってないで、こっち来いよ」
光はそういうと、ダイニングの椅子を引いて類を手招きする。
「ヘアドライヤーここにあるから、先に髪の毛乾かして待ってて」
そう言ってドライヤーの場所を説明すると、光は再び台所に立って何やら作業の続きをし始める。
「な、何してるんですか?」
類は気になって尋ねてみる。
「見てわかんない?、料理だよ」
意外な返答に、類はまじまじと光の手元に注目する。
「驚きすぎ」
キョトンとした表情を浮かべる類に光は苦笑する。確かによく見てみると、まな板の上には様々な食材が綺麗に並べられている。勝手に、そういうのとは無縁の男だと思っていたが包丁の手捌きを見る限り、かなり手慣れているようだ。
類は再び作業を始めた光の邪魔をしないように、テーブルに置かれたドライヤーで髪の毛を乾かし始める。
コンディショナーをつけていない分、少しパサついてしまう心配があったが、意外にも綺麗にまとまってくれた事に安堵する。
(これじゃまるで可愛く見られたいみたい)
自分の下心に少しの羞恥心を覚えると、類の足元にふと何かふさふさしたものが触れた。
突然の事に驚いた類は思い切り膝小僧をテーブルへとぶつけてしまう。
「っ〜!?」
涙目になりながら膝を抱え込むと、机の下から太々しい顔をした大きな白猫が姿を現した。
「ね、猫…?」
類はその猫をまじまじと見つめると、猫は「なおーん」と一鳴きして大きな欠伸をする。
「こら、だいふく。お前また人を驚かせたな…」
料理が済んだのか、光は皿を類の前へと配膳すると、足元で鳴く白猫の首根っこを掴んだ。
「なぁー」
だいふくと呼ばれた猫は再び鳴くと、大人しく光に連れられてソファの上へと異動させられる。
「猫飼われてるんですね…」
類は再び意外そうな表情で光に尋ねる。
「まぁ元は俺の猫じゃないんだけど…、仕方なくね…」
光はそう言って言葉を濁すと、再び台所へと姿を消す。
しかし、類は次々とテーブルに置かれていく、様々な料理に心奪われる。
「はい、どうぞ。腹減ったろ?存分に食え」
光は満足そうにそういうと、仕上げとばかりに出来上がったサラダに粉チーズを振っていく。
「ひ、光さん」
「何?」
類は目を輝かせながら光を見つめると満面の笑みでこう言った。
「お誕生日みたいで嬉しいです!!」
「ひ、光さん…?」
類はどうしていいのかわからず、とりあえず名前を呼んでみる。
「なんだ、もう出たの?」
光は類に気がつくと、意外そうな表情で動きを止める。
「は、はい。ありがとうございました…」
一先ず一番風呂をいただいた礼を済ませると、光は「どういたしまして」と言って微笑んだ。
何となく光の態度が優しくなったのは気のせいだろうか?
「んなとこ立ってないで、こっち来いよ」
光はそういうと、ダイニングの椅子を引いて類を手招きする。
「ヘアドライヤーここにあるから、先に髪の毛乾かして待ってて」
そう言ってドライヤーの場所を説明すると、光は再び台所に立って何やら作業の続きをし始める。
「な、何してるんですか?」
類は気になって尋ねてみる。
「見てわかんない?、料理だよ」
意外な返答に、類はまじまじと光の手元に注目する。
「驚きすぎ」
キョトンとした表情を浮かべる類に光は苦笑する。確かによく見てみると、まな板の上には様々な食材が綺麗に並べられている。勝手に、そういうのとは無縁の男だと思っていたが包丁の手捌きを見る限り、かなり手慣れているようだ。
類は再び作業を始めた光の邪魔をしないように、テーブルに置かれたドライヤーで髪の毛を乾かし始める。
コンディショナーをつけていない分、少しパサついてしまう心配があったが、意外にも綺麗にまとまってくれた事に安堵する。
(これじゃまるで可愛く見られたいみたい)
自分の下心に少しの羞恥心を覚えると、類の足元にふと何かふさふさしたものが触れた。
突然の事に驚いた類は思い切り膝小僧をテーブルへとぶつけてしまう。
「っ〜!?」
涙目になりながら膝を抱え込むと、机の下から太々しい顔をした大きな白猫が姿を現した。
「ね、猫…?」
類はその猫をまじまじと見つめると、猫は「なおーん」と一鳴きして大きな欠伸をする。
「こら、だいふく。お前また人を驚かせたな…」
料理が済んだのか、光は皿を類の前へと配膳すると、足元で鳴く白猫の首根っこを掴んだ。
「なぁー」
だいふくと呼ばれた猫は再び鳴くと、大人しく光に連れられてソファの上へと異動させられる。
「猫飼われてるんですね…」
類は再び意外そうな表情で光に尋ねる。
「まぁ元は俺の猫じゃないんだけど…、仕方なくね…」
光はそう言って言葉を濁すと、再び台所へと姿を消す。
しかし、類は次々とテーブルに置かれていく、様々な料理に心奪われる。
「はい、どうぞ。腹減ったろ?存分に食え」
光は満足そうにそういうと、仕上げとばかりに出来上がったサラダに粉チーズを振っていく。
「ひ、光さん」
「何?」
類は目を輝かせながら光を見つめると満面の笑みでこう言った。
「お誕生日みたいで嬉しいです!!」