彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません
部屋に戻ってからも、何をしていても車の中での出来事ばかりが頭から離れなかった。
低く、わずかに熱を含んだ声で告げられた「今も好きだよ」という言葉が、何度も何度も繰り返される。
先生は昔も今もずっと私を想い続けてくれていたのだと分かるほど、その一言は重くて、嬉しいはずなのに、胸の奥を締め付けてくる。
私も、きっと好きなんだと思う。
それでも、両想いだからといってこんなにも簡単に前に進んでいいはずがないと、どこかで強くブレーキをかけている自分がいた。
私は先生を傷つけた。
長い間、何も知らないまま忘れたままで。
だから今さら好きになったなんて、そんな都合のいいことを簡単に認められない。
しげぴーにも告白されたばかりで、何もかもが曖昧なままなのに、このまま流されてしまいそうな自分がいて、それがどうしようもなく嫌だった。
私はどうしたいんだろう。
どうするのが正解なんだろう。
考えれば考えるほど分からなくなって、ソファに体を預けるように沈み込む。
「どうしよ……わからない」
小さくこぼれた声と一緒に、深いため息が部屋に溶けていった。