彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません

 しげぴーは少しだけ間を置いてから、ゆっくりと口を開いた。

 「俺さ」

 その一言に、身体がわずかに強張る。

 「この前言ったこと、あれ、冗談じゃないから」

 まっすぐに向けられた視線から逃げられなくて、息を詰める。

 「そんな簡単に諦められねーよ」

 あのときと同じ温度のまま、まっすぐに届く。

 だからこそ、簡単に受け流すことなんてできない。

 「……うん、でも…」

 私は、しげぴーに想ってもらう資格はない。

 鼻の奥がツーンとする。

 ここで私が泣くのはおかしい。

 でも、しげぴーのことも、本当に大切なんだ。大切な……友達だから。

 本当は、もっとちゃんと何か言わなきゃいけないのに、出てくる言葉はひとつしかなくて。

 「……ごめん」
< 141 / 167 >

この作品をシェア

pagetop