彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません

 「どこ行くんですか?」

 「内緒」

 そう言って笑う先生の横顔に少しドキッとした。

 まんまと翻弄されている私。

 先生はみんなにこうなんだ、と自分に言い聞かせた。

 勘違いはしないように。


 しばらく歩いて辿り着いたのは、水辺のある公園だった。

 「……ここ」

 言葉にした瞬間、胸の奥がきゅっと締めつけられた。

 理由は分からない。
 ただ、懐かしい感じがした。

 水面がきらきらと光っていて、子どもの笑い声が遠くで聞こえる。

 「嫌だった?」

 先生の声に、はっとする。

 「い、いえ!嫌じゃないです。ただ……」

 言葉を探す。

 「来たこと、ある気がして」

 先生の足が、ほんの一瞬止まった。
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