彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません
冗談、ですよね?
翌日の病棟は、いつもと変わらない朝を迎えていた。
ナースステーションには早速鳴るナースコール、申し送りの声、点滴の準備をする音が重なっている。
昨日のデートが、夢だったんじゃないかと思うくらい、現実は淡々としていた。
「以上!あとよろしくね、ひより」
「はーい、おつかれさま。ゆっくり休んでね」
「ありがと、今日はそっこー寝るわー」
そう言って軽く伸びをしながら、帰り支度を始めた恵理ちゃん。
夜勤だった恵理ちゃんに送りをもらい、私は電カルと点滴を積んだワゴンを押して廊下へ出る。
昨日のことはまだ恵理ちゃんにも誰にも話せていない。恵理ちゃんは夜勤だったし、また今度話せばいいかな。
さ、切り替えて仕事だ。
午前中はバタバタと忙しく、あっという間に時間は過ぎてしまう。
目の前のことに集中していると、瀬名先生のことを思い出す暇もなかった。