彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません


 「ねぇ、聞いた?」

 職員食堂で休憩中、隣のテーブルのスタッフの声が聞こえた。

 「なにが?」

 「瀬名先生の噂。最近も、ほら……」

 思わず耳が反応して、咀嚼していたおかずをごくりと飲み込んだ。

 「また飲みに行ってたらしいよ。しかも相手、病院関係者だって」

 「あー……やっぱりねぇ。モテるもんね」

 先生が誰とどんなお付き合いをしてようが、私には関係ないはずなのに、なぜか心の奥が、チクリと痛んだ。

 飲みに行っていたってことは、夜だよね。
 私は昼間に公園を散歩しただけだし…

 一瞬、自分のことかと思ってひやりとしたけど、どうやら違うらしい。

 でも…ーーーやっぱり、そおなんだ。 
 そうだよね。

 安堵よりも、落ち込んでいる自分に気づいて、複雑な気持ちになった。

 私とのデートなんて、先生の気まぐれだよ。 

 また誘うみたいなこと言ってたけど、お遊びの一部でしかないんだよ、きっと。


 そう自分に言い聞かせて、納得したつもりではいるけど、心はどこか晴れないままだった。



 ひとりでご飯を黙々と食べていると、どうしても昨日の先生が頭に浮かんでくる。

 「吉岡?」

 テーブルの向かい側に昼食のトレイを持ったしげぴーが立っていた。
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