彼と別れた瞬間、チャラいドクターからの求愛が止まりません
コーヒーから視線を外した先生は、私の目を見てはっきりとそう言った。
その目は、揺るぎなく真っ直ぐだった。
「今でも、好きなんだ。
どうしようもないくらい」
真っ直ぐなその言葉と気持ちが痛いくらいに胸に刺さって苦しくなった。まるで、私が言われてるんじゃないかと錯覚してしまうくらい。
なぜか、鼻の奥がツーンとして泣きそうになる。
先生、そんなに大切な人がいるんだ。
じゃあどうして、今、私といるんだろう。
ホテルでのことも、デートも、今までの言葉も。いろんな人との噂だって、全部全部、大切な人がいるんだったら、他の人なんかにそんなことしちゃだめじゃないですか……。
いろんな思いが込み上げてくる。
「でもさ、……俺、消えたんだよね」
「……え?」
消えた……?どういうこと……?
「その人の記憶から。俺のことだけ全部覚えてなくてさ」
先生の声はいつも通り明るい。
でも、どうしてだろう、すごく悲しい。
知らない話のはずなのに。
知らない“誰か”の話なのに。
どうして私は、こんなに苦しくなるんだろう。
先生のそんな悲しい笑顔、初めて見ました。