月とスッポン 一生に一度と言わず
そのまま道なりに進もうとする私を川の方へと肩を抱き、歩き始めた。
「五十鈴川の御手洗場を忘れてはいけません」
これは予想外の展開だ。
手を繋ぐより密着度が増し、これはこれで恥ずかしい。
肩を掴まれた手に力が入っていて、抜けるに抜れない。
「五十鈴川が本来の清め場で、かつてはここで全身を清めてから参拝したそうです」
緩やかな階段を降り、川に手が触れやすい場所へとさりげなく誘導されている。
小春日和だと言うのに五十鈴川の水は冷たくて、身が引き締まる。
全身をここで清めろと言われれば、丁重にお断りしたい。だが、真夏の炎天下にここまで歩いて来たと想定すれば、きっとありがたがって飛び込んだだろう。
そんな事を思いながら、水の流れで遊んでいれば「いくら気持ちがいいからと言って飛び込まないでくださいね」と大河にからかわれる。
「誰がだ」と川の水をかけてかけたかったが、それこそ思う壺。
ここはやっぱり聞き流すのが1番。立ち上がり、瀧祭神の方へと歩き出す。
「五十鈴川の御手洗場を忘れてはいけません」
これは予想外の展開だ。
手を繋ぐより密着度が増し、これはこれで恥ずかしい。
肩を掴まれた手に力が入っていて、抜けるに抜れない。
「五十鈴川が本来の清め場で、かつてはここで全身を清めてから参拝したそうです」
緩やかな階段を降り、川に手が触れやすい場所へとさりげなく誘導されている。
小春日和だと言うのに五十鈴川の水は冷たくて、身が引き締まる。
全身をここで清めろと言われれば、丁重にお断りしたい。だが、真夏の炎天下にここまで歩いて来たと想定すれば、きっとありがたがって飛び込んだだろう。
そんな事を思いながら、水の流れで遊んでいれば「いくら気持ちがいいからと言って飛び込まないでくださいね」と大河にからかわれる。
「誰がだ」と川の水をかけてかけたかったが、それこそ思う壺。
ここはやっぱり聞き流すのが1番。立ち上がり、瀧祭神の方へと歩き出す。