月とスッポン  一生に一度と言わず
本当に翔空の“いっぱいあってな”に興味がない様子の茜を気にすることもなく、翔空が話し出す。

「まだ一人前の宮大工だとは言えないが、次の遷宮に参加出来るかもしれない」

などと翔空の現状を報告している。

「家庭を持つつもりじゃなかった」
「梨花と出会えたのは幸運だ」

と途切れ途切れで会話が聞こえる。

翔空と一緒にいたくて、自分でも無茶をしたと思っているし、やった事への後悔はない。
だけど、それを振り返り翔空の口から聞くとなるとかなり恥ずかしい。

「梨花さん、やばっ」
「ちょっとマジでかっこいい」
「私には無理だぁ」

聞こえてくる声を、大我にご飯を食べさせるので忙しいです。と聞こえないふりをする。

食べ物で遊び始めた龍平に
「もうお腹いっぱい?ご馳走様する?」と聞けば、
可愛い両手を合わせて「ごちそうさまでした」と少し大きな声で言った。

残ったモノを食べようと手を伸ばせば、
「龍平、パパのお膝においで」と翔空が、うとうとし始めた大我を抱えながら食べ始める。

ご馳走様をしたにも関わらず、人の食べているモノを欲しがる3歳児。
いっぱい食べて大きくなってくれれば良いと見ていれば、2人の会話を寂しそうに見つめるイケメンさん。

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