月とスッポン 一生に一度と言わず
始めは外宮から
「何はともあれ外宮からですね」
当然の如く私と手を繋ぎ、迷うことなく歩き出す。
下宮の参道もゆっくり見たいところだけど、流石にオープン前で店は閉まっていた。
「《外宮、正式には豊受大神宮なんですが。
天照大御神の食事を司る神で、トヨは豊かさを表しウケは食べ物を示しています。
内宮の鎮座から約500年後、第21代雄略天皇の夢に天照大御神が現れ
『自分一人では食事が安らかにできないので、丹波国の等由気大神を近くに呼び寄せるように』
との神託に従って、丹波の国から豊受大御神を招いた事が始まりです。以来、豊受大御神は食事を司る“御饌の神”として伊勢神宮の外宮にご鎮座しています。
天照大御神は自らの命により、伊勢の地に迎えた豊受大神宮を『我が祭りに仕え奉る時は、先ず豊受の神の宮を祭り奉るべし、しかる後に我が宮の祭り事を勤仕べし』と重ねて命ぜられた事によって、外宮から参拝するのが慣わしだそうです》」
大河による講義を聞きながら、手水舎で清め、火除け橋を渡る。
今日はいつもに増して饒舌だ。
空気が少しずつ変わっていく気がする。
「本来伊勢神宮参拝は、二見興玉神社の海で身を清めてから始まるそうです。
今度は二見の海からスタートしたいですね」
鳥居を潜れば、より一層空気が澄んだような気がして来る。