「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
 自宅での美月の振る舞いは完璧で、俺たちに構わず好きに過ごしていていいのに、つまみの用意までしてくれた。

 俺たちは明日休みだが美月は仕事がある。矢沢を二十一時には絶対に帰らせよう。

 なんだかんだ話は弾み、ゆったりとした時間が過ぎていく。

 ひとりでいるのが好きだし、休日は疲れを取りたいので人と会う約束は基本的にしない。たまに矢沢や職場の人間に食事に誘われるくらいだ。

 でも、たまにはこういうのもいいな。

 俺以外の人間と喋る美月の姿も新鮮で、静観しているだけで温かな気持ちになる。

「美月ちゃんみたいに可愛い子だったら、ありだけど」

 見合いについて語り合っていると、矢沢が調子にのった発言をした。

 そりゃあみんなありだろうよ。そして会う回数を重ねれば重ねるほど、美月のよさを知って手放したくなくなるはずだ。

「矢沢がありでも、美月はなしだ」

 別に自惚れているわけではないが、矢沢のようなお祭り人間より俺みたいにドライな男の方が合っていると思う。
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