「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
 わずかに残っている気力を振り絞り、枕元に置いてあるスマートフォンを手繰り寄せる。画面をタップして時間を確認すると、零時四十五分だった。

 巧さん、寝たばかりだったのかも。迷惑をかけて申し訳なかったな。

 最近はたくさんの人の手を煩わせてばかりだ。

 ストレスで高熱、か。それならウイルス性の病気ではないので、高熱以外に症状がないことに納得できる。

 ネガティブな性格ではないと思っているけれど、さすがにここ最近の問題については心が対処しきれず病んだのかもしれない。

 このタイミングで会社を休んだらまたなにを言われるか分かったものじゃない。それに何日も続けて休んだら行きづらくなるし、一日で回復させたい。

 よし、寝よう。巧さんが言う通り休息を取るのが大切だ。

 ぐるぐると巡っていた思考を手放すと睡魔はすぐにやってきて、泥のなかに沈んでいくように意識が遠退いていった。
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