「君を絶対愛さない」と言ったクールな警視正に滾る愛を刻まれました
 部屋に戻って布団にもぐり込むと、巧さんは汗で額に張り付いた前髪を掻き分けてくれた。

 恥ずかしいけれど、熱で頭がぼうっとして細かいことを気にしていられない。立っていた時より横になった方がより頭が重たく感じる。

「コンビニで冷却シート買ってくる。経口補水液と、他になにがほしい? ゼリーとプリンは好きか?」

 しまった。薬は注文したのに冷却シートをすっかり忘れていた。今って何時だっけ。多忙で睡眠時間が削られているのを知っているのに、夜中に買いに行かせられない。

「ネットスーパーでいろいろ注文したので大丈夫です。ありがとうございます」

「そうか」

 こくりと頷くと、巧さんはリモコンを操作して蛍光灯を保安灯にした。

「少し明るくても眠れるか?」

 いつもは真っ暗にしているけれど、朦朧としているのでどんな状況でも寝られる気がする。

「様子を見にきたいから、この方が助かる」

 私のことは気にせず身体を休めてほしい。気を遣わせない言い回しを考えようとしたが頭が上手く働かず言葉がまとまらない。

 そうこうしているうちに巧さんは私の頭を労るようにひと撫でして、部屋から静かに出て行ってしまった。
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