結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

小話 見ちゃった!

 幕間2 永遠子ちゃん視点のお話
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 定時後、今日も帰りが遅くなりそうだったので、コンビニで軽食でも買おうかとフロアを出ると、エレベーターホールに同期の夏川(なつかわ)がいた。
 夏川は手に煙草の箱を持っていたから、一階にある屋外の喫煙所に行くつもりだろう。このビルは全フロア禁煙だ。
 彼は私に気づくと、「ニカッ」と効果音がつきそうな元気な笑顔で話しかけてきた。

「冬崎、お疲れ。お前、欠席で返事したんだって?」
「柴田の結婚式のこと?」
「俺も迷ったから、気持ちはわかる」

 同期は全員招待されていて、欠席するのは私だけらしい。
 ご祝儀とは別に渡す、同期一同からのプレゼントには参加するし、お祝いの気持ちがまったくないわけではないが、二人の「ご披露」は見たくない。
 エレベーターが一基到着したが、同ビル内のどこの会社も退勤の時間帯のようで、人が多く見送ることにした。先に待っていた夏川は乗るかと思ったが、話がしたいのか彼もエレベーターに乗らなかった。

「正直、納得してないから。さすがに柴田の味方は出来ないよ。あんな良い彼女を一方的に振って、ヨリ戻そうとして迷惑かけたりしてさ……」
「冬崎は派遣の彼女とも仲良いもんな」
()彼女ね」

 入社前の研修や、有志の飲み会で話していたとき、一番気が合っていたのは柴田だった。
 だから、柴田が和咲さんに「一目惚れした!」と騒いでいた当時は、正直複雑な気持ちだった。
 でも、柴田を通じて和咲さんとも仲良くなり、「この人なら仕方ないか」と諦めた。
 それもあって、柴田が福岡支店の女に乗り換えたときには、異様に腹が立った。

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