結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~
拠り所
写真と雑誌を元に戻して、クローゼットの扉の前に立ち尽くしていると八木沢さんが寝室に戻ってきたので、無言で駆け寄って抱きついた。
「どうしました?」
「……一人になったら寂しくなりました」
「お風呂に入っただけですよ」
あやすように優しく背中を撫でられて不安が増す。私がさらに力を込めたら、八木沢さんが「一人にしてすみません」と言いながら、抱きしめてくれた。
私からキスをしたくて背伸びをしたが届かない。
八木沢さんのシャツを引っ張って上を向いていると、気づいた彼が笑いながら私の両頬に手を添えた。でも、期待とは裏腹に額に口づけされたから、子供扱いされたようで悔しくなる。
腕を引いて彼をベッドまで連れて行き、私が彼を押し倒して馬乗りになった。
「ずいぶん積極的ですね」
「いけませんか?」
「いえ、可愛いです」
私のほうからキスしたのに、私の舌を彼が追いかけてくる。下を向いたこの姿勢でキスするのは初めてかもしれない。髪をゆっくり撫でられると気持ちいい。離れようとしたら腕を掴まれて逃がしてもらえなかった。
「あっ……ん、ん……」
息継ぎの吐息はもう甘ったるい喘ぎ声になっていた。どうしてこんなにキスが上手なんだろう。普段から想像できないようないやらしい舌遣いで、思考を奪われそうになる。