結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

 自分で自分を支えられなくなって、彼の腕に爪を立ててしまったから、体を引いて謝った。

「あ、また、ごめんなさい」
「構いませんよ……夢中になってしがみついてくるあなたは可愛いです」

 八木沢さんは愉しそうに笑って、脱力した私をベッドに寝かせた。部屋着にしていた可愛げのないハーフパンツと下着だけを脱がされたから、私を見下ろす彼に質問した。

「……脱ぐの、下だけ、ですか?」
「たまには着たままの方が興奮しません?」
「八木沢さんもそんなこと考えるんですね」
「僕を何だと思ってたんです? どこにでもいる、ただのおじさんですよ」

 彼が拗ねたような表情になったので、それが可愛くて笑ってしまった。

「そんなことないです。八木沢さんみたいに優しくて素敵な人は、世界中探してもいません」
「……僕はわがままです。ちっとも優しくないですよ」

 足に添えられた右手が内腿へと動いて、反射的に膝を閉じてしまった。でも彼は構わず内腿を撫でさすり、左手でまた胸を愛撫するから、耐えられず吐息が漏れた。
 下半身だけ裸ってなんだか恥ずかしい。でも、もっと深くまで触れて欲しくて、だんだん体が開いていく。


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