結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~
「今度、絵付け体験に行ってみようかと思ってるんです」
「絵付けって何ですか? 何かに絵を描く?」
「食器です。造形も楽しいけれど絵を描くのが好きだから、器に絵を付けるのをやってみようかと。あの……お揃いのマグカップが欲しいなと思っていて……八木沢さんの分も、作っていいですか?」
「ああ、それはとても嬉しいです」
彼が喜色をたたえてにっこり笑ってくれた。そんなに喜んでもらえると思ってなかったから、私も嬉しくなって笑い返した。なんだか触れたくなって体を寄せると、彼が私の髪を優しく撫でてくれる。
どうしよう、ぎゅって抱きつきたい気持ち……と思っていたら、私の顔を見ていた彼が囁くように言った。
「コーヒー飲み終わったら、そろそろ帰りますか? 夜まで待てないって顔してますよ」
「し、してません!」
「してますよ。僕がわからないとでも?」
見透かされて恥ずかしいから黙って睨んでいたら、「和咲さんは怒ってる顔も可愛いですね」と笑いながら言うのでますます恥ずかしくなる。可愛い禁止にしたい。