結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

「あの、桂先生は、以前T大病院にお勤めではなかったですか?」
「はい。もうだいぶ昔、研修医の頃ですが」

「祖母の手術の時に、お名前をお見かけした気がします。助手の先生で、とても綺麗な名前だったから印象に残っていて……」
「うわあ、名前のことは言わないで! 雅姫(みやびひめ)って字面すごいでしょう? 中身はこんなだから、ギャップが凄くて恥ずかしい!」

 桂雅姫ってお姫様みたい! と思ったので覚えていた。ケラケラと豪快に笑っていたから、確かにイメージとは違う。深窓のご令嬢ではなく、どちらかと言えば女傑だ。

「そんな質問がくると思わなかった。自分の病気のことはいいの?」

 おかげさまで元気なので、特に気になることはないと言ったら、桂先生は面白そうに笑っていた。

 会計に多少時間がかかり、待っている間にお腹が空いてしまった。大きめの総合病院なのでカフェも併設されているが、早く帰りたい気持ちもあったので、コンビニで軽食を買うことにした。

 一階のお店に立ち寄ると、白衣を脱いだ桂先生がレジに並んでいて、お客さんも店員さんも、老若男女問わず見惚れているんじゃないかと思うくらい、美人過ぎて目立っていた。
 さっきは白衣で椅子に座っていたのでわからなかったが、手足も長くて、日本人離れした体型。「しゅっとした」とか「すらっとした」と言いたくなるほど、スタイルも抜群だった。


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