結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

「じゃあ、私も聞きたいことある。あなた、別れる気あるの?」
「どうして、そんなこと聞くんですか?」
「この前、理由言ったじゃない。忘れたの? 東梧は優しいから、自分からは言い出さない。だから、あなたから上手に別れたら、全て丸く収まると思わない? よく考えてね。どうしたら彼が幸せになれるのか」

 それは素敵なハッピーエンドだと思う。彼からは別れを切り出さないだろう、というのは私も同意だ。でも。

「でも、雅姫さんは帰って来なかったじゃないですか。何年も放っておいたじゃないですか!」

「そうよ。だから何? あなたこそ、彼氏に振られて誰でもよかったんじゃないの?」

 どうしてこの人が、私の事情を知っているんだろう。不思議に思って黙ったら、彼女が続けた。

「あなたについて、調べさせてもらった。生い立ちから言えるわよ。映画会社に勤めていた父親と、役者だった母親は、親に反対されて駆け落ち同然で結婚したが交通事故で他界。父親は施設育ちで身寄りがなく、母方の祖父母が渋々あなたを引き取った、とか」

「なんでそんなことまで……」

「あなたのこと知りたかったから。お金さえ払えば、身元調査って簡単なんだよね」


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