結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

「和咲さんの花嫁姿はきっととても可愛いです。あ、いや待て、他の男には見せたくないな……しかし、和咲さんの花嫁姿は見たい……僕だけが見たい……」

 真剣に悩んでいるのがおかしくて、八木沢さんの後ろに隠れて笑った。八木沢さんは和装も洋装も似合いそう。

「披露宴は、してもしなくても、どっちでもいいですよ」
「いや、僕のものだと披露することで牽制になるのなら、可愛い妻を見せびらかしましょう」
「見せびらかす?」

 結婚披露宴って、お世話になった人たちへの感謝のためだとか、プランナーさんに言われた記憶があるけれど。八木沢さんが楽しそうだから、まあいいか。

 これ以上ない浮かれた話題である「どんな結婚式がいいか」を二人で話しながら歩いていたら、区役所まであっという間だった。
 婚姻届の証人欄は、槙木夫妻にお願いすることにした。もし結婚式をしたら、槙木さんは号泣しそうだな。ふと疑問に思ったので、聞いてみた。

「そういえば、私が槙木さんの電話切ってから、八木沢さんが来てくれるまで、そんなに時間経ってなかったですけど、駅まではどうやって?」
「……自転車を借りました」
「自転車!」


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