結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

「考えてませんでした。僕は子供好きですよ」
「すみません、さっきのナシです。一度忘れてください……」
「そんなに恥ずかしがらなくても。夫婦生活における意見のすり合わせは大切です」
「夫婦生活!」

 いや、無理。恥ずかしすぎる。
 ドキドキなんて可愛いものではなく、急激に心拍数があがって倒れそう。多分、真っ赤な顔で頭もふらふらしている。
 八木沢さんが、ふわふわしている私の体を抱きとめて見つめてきた。これ以上は心臓が持たない。

「恥ずかしがっている和咲さんを見ていたら、なんとも言えない気持ちになりますね」
「や、ちょっと離れてください……お願い、見ないで……」
「和咲さんが僕の子を産む。なるほど……想像したら、嬉しくて興奮してきました」

 なんか変なスイッチが入った気がする……どうしよう。
 怯えていたらソファに押し倒された。キスをしながら体に触れられて、逃げようとしたけど押さえ込まれた。強引なのに手つきは優しくて、否応なしに体が反応する。

「あぁ、待って……」
「頬を染めて、そんな可愛い声を出したら逆効果ですよ。待てるかどうか、わかりません」

 こうなると、八木沢さんは絶対待ってくれない。ケダモノ!


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