結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~
キスしたいな、と思ったけれど、指も動かせないくらいに脱力している。このまま眠ってしまったら、きっと気持ちいい。
ぐったりして目を閉じていると、私の髪に触れながら彼が言った。
「約束してください。ずっと僕だけの妻でいてください。他の人を見ないで。どこにも行かないで」
囁くようなその声が、私には懇願するように聞こえたから、安心させたくてゆっくり彼のほうへ振り返った。
「わかりました。私には簡単なことですよ」
「簡単……ですか?」
人の心は移ろう。どんなに情熱的だったとしても、永遠に続くと信じていても、心が離れたら恋は終わってしまう。私も八木沢さんも、それを知っている。だから不安になるし、信じるのが怖くなる。
「信じ合うのは難しいって分かってます。でも八木沢さんのことが大好きだから、私には簡単なんです。信じてもらえるように、何度でも確かめていいですよ。何回聞かれても、同じように答えると思います」
「……僕だけ愛してくれますか?」
「うん、あなただけ愛してる。あなたの隣が、私の居場所です」