結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

「あぁっ、東梧さん……東梧さんっ、愛してる」
「僕のほうがもっと愛してるよ、和咲」

 東梧さんのその言葉は、透き通った音みたいにはっきり聞こえた。
 歓びに喘いで震えていると、快感が弾けて全身に満ちていく。気持ち良くて幸せ。
 脱力して荒い息を吐いている彼が、甘えるように肩にもたれてくるから、愛おしくてぎゅっと抱きしめた。

「すみません、全然もたなかった……。和咲さんが可愛いから、もう少し頑張りたいんですが……」
「うん?」
「今日は、これ以上頑張れません……」

 肩にもたれたまま、眠そうな声でそう囁かれて、可愛いと思ってしまった。
 どうしよう、頑張れない東梧さんが可愛い……!!

「大丈夫ですよ。お仕事でお疲れでしょうし、昨日、ソファでいっぱいしましたもんね」

 私が笑ったら、少し体をずらして彼が仰向けになる。
 起き上がって覗き込んだら、くったりと惚けた顔をしていた。いつも何度も求めてくるのに、今夜は本当に動けないみたいで、それが私には可愛い。
 無防備なまま眠ってしまいそうだったから、乱れた毛布や掛け布団を整えて、彼の隣にもぐりこんだ。私も眠たい。

「赤ちゃんできるといいな」
「できるまで、励みます」
「わたし、家族たくさんがいいです……」

 とても幸せで眠たくて、「おやすみなさい」と言ったかどうか覚えていない。


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