結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~
終話
封筒に入っていたのは、私と両親が写っている三枚の写真――とても上手に日常を切り取った、素敵な家族写真だった。
私のアルバムにある写真は主に父が撮っていて、三人全員が写っているものは一枚もない。だから、これは誰が撮ったのだろうと考えたが全く心当たりがなかった。
父方に親戚はいないし、母方の親戚がこれらの写真を保存してくれていたとは思えない。
「どうして雅姫がこれを?」
東梧さんが不思議そうにしていたので、以前、彼女が私の身辺調査をしていたことを伝えた。予想外だったようで、東梧さんは絶句していた。明らかにドン引きしている……。ですよね……。
添えられた手紙には、調査の過程で、父の仕事仲間であり友人であった人を探し当てたことが書かれていた。
この三枚は、生前の両親の許可を得て、コンテストなどに応募した写真だそうだ。
「樋口秋正さん、有名な風景写真家の方ですね。初期は人物写真も多く撮っていて、いまでも『宣材写真は必ずこの人に頼む』という芸能人も多いと聞いたことがありますよ」
「まだ修行中だった若い頃、私たち家族を被写体にして、練習も兼ねて定期的に写真を撮っていたそうです」
「撮っているのがご友人だから、ご両親も自然体で、とてもいい写真ばかりなんですね」
「……この、樋口さんと連絡がとれるそうです。他にもデータが残っているから、『和咲ちゃんが希望するなら渡したい』とおっしゃっているようで……」
現在は独立しているが、かつては父と同じ映画会社で働いていた。父が急死したあと、すぐに引っ越して所在がわからなくなった私のことを、ずっと気に掛けていたらしい。