結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

「最後まで迷ったんですが、なんとなく、こっちがいいなあと思って!」

 きっと、ベッドカバーにも合うと思う。
 寸法を間違えないようにと、何度も確かめてからセルフレジへ向かった。
 会計をしつつ、私は八木沢さんに恐る恐る提案した。

「あの、今日のお礼をしたいので、嫌でなければお夕飯をお届けしてもいいですか?」
「ありがとうございます。嫌じゃないですよ」

「何か食べたいものありますか?」
「唐揚げがいいです。このまえお裾分けしてくださったのが、とても美味しかったです」

「お口に合ってよかったです。前の晩から下味をつけておいた甲斐がありました! 八木沢さんのためなら、いくらでも作りますよ!」
「食材は僕が買うので、是非お願いします。盛り付けも綺麗でしたよ。器も好きな物を使ってくださいね」

 お世辞だろうけど、誉められて嬉しい。隣接する百貨店の地下食品売り場で食材を調達することになったので、他のフロアも見て回りながらゆっくりと歩いて移動した。なんだか楽しい。

 滅多に行かないデパ地下で、私は生鮮食品の価格帯におののいたが、「食べるのは私じゃない」と言い聞かせた。
 ハーブなどのスパイスも充実していたので、相談しながら買い物をして、気づけば大荷物になっていた。持てないことはないだろうけど、車があって本当に良かったー!


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