結婚したくない二人の話~完璧イケオジエリートは、実は独占欲強めなケダモノでした~

「ふたり、付き合っちゃえば?」
「はい? 今なんとおっしゃいました?」

 よく晴れた青空の下、唐突な槙木さんの言葉に思わず聞き返した。

「だからさ、東梧と和咲ちゃん、付き合っちゃえばいいんじゃない?」

「どうしてそうなるんですか……!」

 近所にある花園神社では、毎週日曜に青空骨董市が開催されている。
 八木沢さんに「今週末、行ってみませんか」と誘われていたので、約束の時間にエントランスへ行くと、なぜかそこに槙木さんもいた。
 山梨にある奥様の実家へ遊びに行く予定が、土曜日が休日出勤になってしまい、「パパ、お仕事頑張ってね~」とあっさり東京に置いていかれたそうだ。日曜の朝から暇を持て余した槙木さんは、八木沢さんの家に遊びに来たらしい。大変仲良しだ。
 
 青空骨董市では、テントを建てているお店もあれば、名の通り青空の下に骨董品を並べているお店もある。扱っているのは、古本や着物、雑貨や民芸品など様々で外国人観光客も多い。

 花園神社は、このあたりが宿場町だった江戸時代からあるらしい。歴史は相当古い。以前はもっと南側にあったが、下屋敷が作られたため、今の場所を幕府から拝領したそうだ。ここは花が咲き乱れる場所であったから、通称花園社と呼ばれていたと文献に残っている。時代を経て、現在の「花園神社」という名称になったそうだ。

 その骨董市をわくわくしながら見て回りつつ近況を話していたら、だんだん槙木さんが無口になっていき、神社を出たところで飛び出したのが「付き合っちゃえば発言」だった。


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