八限目は朝葉学園図書館で
六話 課外活動前編
「私が入学してから2週間たったある日。
意外にも授業は自分たちと同じ社会や数学、物理などの教科の授業がほとんどだった。
というより日那が高校でやっている内容よりもっと難しい問題で正直あぜんとなった。
頭はいい方だと思ってたけど世の中、ひろいんだなと色んな意味で実感&恥ずいのコンボ。
少しだけ妖術の勉強もあって防御の術と解術だけはある程度できるようになった。
「今日は課外活動をしましょう。」
そうジン先生が言うとクラス中でわっと声が上がる。
凄く嬉しそうに手を取り合って喜んでいる子もいれば「はい、勝ち確ー!!!」と高らかに手を挙げている子もいる。
隣の花子さんも嬉しそうに鼻歌を歌い始めたし、少し離れた席のコウも口の端をほころばしている。
皆がそんなにまで喜ぶ課外活動とはいったい何をするのだろう。
「せんせー、今日はどこからどこまでっすか?」そう聞くのは河童の雫河泡(しずがわうた)。
名門の河童一族、雫河家の長子でやんちゃっぽく見えるがリーダー的な存在でもある。
「そうですね、、、。では清水町商店街としましょう。そこに結界を張るのでそこから出てはいけませんよ。人もいないようにしているので。」
清水町商店街というのはこの学校から徒歩7分くらいの所にある割と近めな商店街の事ですぐに行くことができる。
ただ商店街と言っても名ばかりで特にこれといった名物もなく、それに加えて近くにショッピングモールができ多くの店がシャッターを閉めている。
そのため都心なのにもかかわらず平日はおろか休日ですら人気がほとんどない場所になっているというのが現状だ。
そんな場所に行って何をするというのか。
「あ、日那ってどうすんのー?まだなんにも習ってないけど」
瑠鬼が急に私の名前を出すので驚く。
「ああ、まあでも日那さんなら大丈夫でしょう。念のため花子さんかコウくんがついていってください」
「あ、じゃあ俺、行、、、」
「私が行くー!!日那一緒にまわろーね」
ガタンと椅子を立ち上がり花子さんが声を上げる。
その笑顔に思わずくすっとなってしまう。コウがちっと舌打ちをしたような気がしたのは気のせいだろうか。
「じゃあ商店街に行く道で課外活動の説明もおねがいできますか?」
ジン先生の問に自信満々に花子さんは首を縦に振った。
「それでは出発しましょう。」
商店街に向かう道
「で、結局のところ課外活動って何するの?」
教室を出て図書館とは反対方向の階段を降りるとそれまた豪華な扉があった。
その扉は朝葉学園の裏に繋がっていてちょっとびっくりした。
「うーん、説明してもいいんだけどお、、、、生で見た方が分かりやすいと思うよ~」
「生で、、?でも課外活動って特殊な勉強とかしないと普通は無理なんでしょ、、?」
その瞬間、花子さんの顔が鋭くなった。まるで別人のようにこちらを見据えてくる。
「フツウって何なのかな。だって誰かのフツウはほかの誰かのフツウジャナイに含まれてるよ。、、よくも悪くもね」
ハッとした。普通って言葉一番気持ち悪かったはずなのに無意識に自分もそう思ってたことに気づいて吐き気がしてしまう。
「日那、、、、、ゴメン。」花子さんが俯いてサラサラの黒髪が目を覆いたくなるほど光を反射して煌めいている。
「、、、ううん。なんか気づけたかもしんない」
「気づく、、?」
「うん、なんとなくだけど」
私の言葉を聞いて花子さんの口角が上がる。
「そっか、そっかー。さっすが日那だなー」あ、いつもの花子さんだ。「あ、もう着いたか、、、」
「さあ、着きましたよ」
「うわっひゃっ!」
背後から声がして思わず声が出る。
「、、あいっかわらず気配を消して割り込むのが得意なのね、薊(あざみ)。」花子さんが無表情になり薊を睨みつける。
元の調子に戻ったところなのに。
「それはそれは一級妖魔の花子さんから褒められるとは恐悦至極に存じます。」
声の持ち主はクラスメイトの薊狐錬(あざみこれん)。顔立ちは整っていて他クラスの子からも大人気なんだけど、、、。
「褒めてないわ。それに貴方も一級妖魔でしょう?同じ立場なのにそういう風に言うなんて私を舐めてるとしか言いようがないわ。ああ、やっと降格でもしたの?ならお祝いしなきゃだけど。後、日那の言葉を遮らないでもらえる?聞きたくもない男の言葉よりだいっすきな人の麗しい声を聞きたいと思ってしまうことくらいは流石の貴方でもわかるわよね?」
「舐めてるだなんて。僕は君と話したいだけなんだけどなあ。あ、もしかしてだいっすきな人って僕の事かい?嬉しいなあ。せっかく婚約者なんだしさ。ああ、お祝いは嬉しいけど降格はしてないからほかの事でパーティーでも開こうか?例えば君と出会って20年記念日とか、、」
「結構です。それと勘違いもほどほどに」
そう、この二人仮にも婚約者同士なのだが仲が良くない。いやはっきり言ってめちゃくちゃ良くない。
隣り合っているのを見ると美男美女のスペシャルカップルって感じだし霊力も高くて二人とも一級妖魔。
だけど、合わない。何があったんだ、一体。
「それより早く行ってくれる?貴方の順番は私たちより先のはずだけど?」花子さんの怒りがピークに達しそうでひやひやする。
「はあ、しょうがないなあ。じゃあ先に行くけどくれぐれも気を付けてね。曲がりなりにも女のコなんだから、二人共ね。なんかあったら、僕のことを呼んでくれればいい。きっとアイツも付属してくるだろうから、ね。日那ちゃん」
「え?は、はあ」急に名前を呼ばれるとびっくりする。本当にとらえどころがない人だ、薊って。
「ご心配ありがとうございます。分かったから早くいっ、、、!?」
花子さんの黒髪が風になびいたと思えばそれは狐錬の唇と指に挟まれていた。
バッと花子さんが振り払う間もなく薊はふわりと弧を描いてもう商店街の中に入ってしまった。
「、、日那早く行こう。」花子さんのどすのきいた声に少し焦る。
「あ、あっ、う、うっうん。じゃあ、いこ、、」「さっさと行って課題終わらして、、、絶対アイツをつ・ぶ・す♡!」
花子さんは怒ってない。いたって笑顔だ。ただ切れてる。めっちゃ切れてる。
あ、終わった、、。こうなったらもうあとは野となれ山となれだ。
とほほ、、、。憂鬱な気持ちのまま商店街の中に足を踏み入れた。
何が課題なのかも、この課題が一級妖魔のクラスのみの課題であることも知らないまま。
意外にも授業は自分たちと同じ社会や数学、物理などの教科の授業がほとんどだった。
というより日那が高校でやっている内容よりもっと難しい問題で正直あぜんとなった。
頭はいい方だと思ってたけど世の中、ひろいんだなと色んな意味で実感&恥ずいのコンボ。
少しだけ妖術の勉強もあって防御の術と解術だけはある程度できるようになった。
「今日は課外活動をしましょう。」
そうジン先生が言うとクラス中でわっと声が上がる。
凄く嬉しそうに手を取り合って喜んでいる子もいれば「はい、勝ち確ー!!!」と高らかに手を挙げている子もいる。
隣の花子さんも嬉しそうに鼻歌を歌い始めたし、少し離れた席のコウも口の端をほころばしている。
皆がそんなにまで喜ぶ課外活動とはいったい何をするのだろう。
「せんせー、今日はどこからどこまでっすか?」そう聞くのは河童の雫河泡(しずがわうた)。
名門の河童一族、雫河家の長子でやんちゃっぽく見えるがリーダー的な存在でもある。
「そうですね、、、。では清水町商店街としましょう。そこに結界を張るのでそこから出てはいけませんよ。人もいないようにしているので。」
清水町商店街というのはこの学校から徒歩7分くらいの所にある割と近めな商店街の事ですぐに行くことができる。
ただ商店街と言っても名ばかりで特にこれといった名物もなく、それに加えて近くにショッピングモールができ多くの店がシャッターを閉めている。
そのため都心なのにもかかわらず平日はおろか休日ですら人気がほとんどない場所になっているというのが現状だ。
そんな場所に行って何をするというのか。
「あ、日那ってどうすんのー?まだなんにも習ってないけど」
瑠鬼が急に私の名前を出すので驚く。
「ああ、まあでも日那さんなら大丈夫でしょう。念のため花子さんかコウくんがついていってください」
「あ、じゃあ俺、行、、、」
「私が行くー!!日那一緒にまわろーね」
ガタンと椅子を立ち上がり花子さんが声を上げる。
その笑顔に思わずくすっとなってしまう。コウがちっと舌打ちをしたような気がしたのは気のせいだろうか。
「じゃあ商店街に行く道で課外活動の説明もおねがいできますか?」
ジン先生の問に自信満々に花子さんは首を縦に振った。
「それでは出発しましょう。」
商店街に向かう道
「で、結局のところ課外活動って何するの?」
教室を出て図書館とは反対方向の階段を降りるとそれまた豪華な扉があった。
その扉は朝葉学園の裏に繋がっていてちょっとびっくりした。
「うーん、説明してもいいんだけどお、、、、生で見た方が分かりやすいと思うよ~」
「生で、、?でも課外活動って特殊な勉強とかしないと普通は無理なんでしょ、、?」
その瞬間、花子さんの顔が鋭くなった。まるで別人のようにこちらを見据えてくる。
「フツウって何なのかな。だって誰かのフツウはほかの誰かのフツウジャナイに含まれてるよ。、、よくも悪くもね」
ハッとした。普通って言葉一番気持ち悪かったはずなのに無意識に自分もそう思ってたことに気づいて吐き気がしてしまう。
「日那、、、、、ゴメン。」花子さんが俯いてサラサラの黒髪が目を覆いたくなるほど光を反射して煌めいている。
「、、、ううん。なんか気づけたかもしんない」
「気づく、、?」
「うん、なんとなくだけど」
私の言葉を聞いて花子さんの口角が上がる。
「そっか、そっかー。さっすが日那だなー」あ、いつもの花子さんだ。「あ、もう着いたか、、、」
「さあ、着きましたよ」
「うわっひゃっ!」
背後から声がして思わず声が出る。
「、、あいっかわらず気配を消して割り込むのが得意なのね、薊(あざみ)。」花子さんが無表情になり薊を睨みつける。
元の調子に戻ったところなのに。
「それはそれは一級妖魔の花子さんから褒められるとは恐悦至極に存じます。」
声の持ち主はクラスメイトの薊狐錬(あざみこれん)。顔立ちは整っていて他クラスの子からも大人気なんだけど、、、。
「褒めてないわ。それに貴方も一級妖魔でしょう?同じ立場なのにそういう風に言うなんて私を舐めてるとしか言いようがないわ。ああ、やっと降格でもしたの?ならお祝いしなきゃだけど。後、日那の言葉を遮らないでもらえる?聞きたくもない男の言葉よりだいっすきな人の麗しい声を聞きたいと思ってしまうことくらいは流石の貴方でもわかるわよね?」
「舐めてるだなんて。僕は君と話したいだけなんだけどなあ。あ、もしかしてだいっすきな人って僕の事かい?嬉しいなあ。せっかく婚約者なんだしさ。ああ、お祝いは嬉しいけど降格はしてないからほかの事でパーティーでも開こうか?例えば君と出会って20年記念日とか、、」
「結構です。それと勘違いもほどほどに」
そう、この二人仮にも婚約者同士なのだが仲が良くない。いやはっきり言ってめちゃくちゃ良くない。
隣り合っているのを見ると美男美女のスペシャルカップルって感じだし霊力も高くて二人とも一級妖魔。
だけど、合わない。何があったんだ、一体。
「それより早く行ってくれる?貴方の順番は私たちより先のはずだけど?」花子さんの怒りがピークに達しそうでひやひやする。
「はあ、しょうがないなあ。じゃあ先に行くけどくれぐれも気を付けてね。曲がりなりにも女のコなんだから、二人共ね。なんかあったら、僕のことを呼んでくれればいい。きっとアイツも付属してくるだろうから、ね。日那ちゃん」
「え?は、はあ」急に名前を呼ばれるとびっくりする。本当にとらえどころがない人だ、薊って。
「ご心配ありがとうございます。分かったから早くいっ、、、!?」
花子さんの黒髪が風になびいたと思えばそれは狐錬の唇と指に挟まれていた。
バッと花子さんが振り払う間もなく薊はふわりと弧を描いてもう商店街の中に入ってしまった。
「、、日那早く行こう。」花子さんのどすのきいた声に少し焦る。
「あ、あっ、う、うっうん。じゃあ、いこ、、」「さっさと行って課題終わらして、、、絶対アイツをつ・ぶ・す♡!」
花子さんは怒ってない。いたって笑顔だ。ただ切れてる。めっちゃ切れてる。
あ、終わった、、。こうなったらもうあとは野となれ山となれだ。
とほほ、、、。憂鬱な気持ちのまま商店街の中に足を踏み入れた。
何が課題なのかも、この課題が一級妖魔のクラスのみの課題であることも知らないまま。