失恋から立ち直るのに必要なのは爆発力でした
きゃー! 『ぷぷぷっ』って、余裕かましてる場合じゃなかった。
だけど、矢が刺さって血まみれになっている落武者の亡霊が追いかけてくるなんて、予想外だったのだ。
怖いっ、怖すぎるー!
「いやあーー!」
「うああーー!」
薄暗い廃寺の中で、私たちは視線を交わした。
神林くんの瞳は、私にひたむきに願っていた。
それは私もちょうど願っていたことだった。
私たちは、お互いが同じ気持ちだということを同時に理解した。
そして、ピッタリのタイミングで、ガッチリと手を握り合った。
その瞬間──
私の中で化学反応が確かに起きた。
まともにその爆発をくらってしまった心臓は、驚いてバクバクしている。
そして、前の恋が薄っぺらかったってことでも構わない、と思った。
そう、夏川くんを想っていた恋は、もはや“前の恋”になっていたのだ。