失くしたあなたの物語、ここにあります
「そんなこともあったかな。それがどうかしたの?」
彼はあまり覚えがないようだ。
「その雑誌をね、うららちゃんが父に買い取ってもらったらしいの。もしかしたら、まだまろう堂にあるかもしれないと思って」
「探してみようか?」
「うん、どんなケーキが紹介されたのか見てみたくて」
「雑誌の名前はわかる?」
早速、天草さんは古本の在庫を管理しているパソコンに手を伸ばす。
「この地方の情報誌だと思う。月刊で発売されてて、5年くらい前にはあった雑誌だから、たぶん……」
「ミックスかな?」
「あっ、それ。たぶん、それだと思う」
ミックスはグルメや美容、お出かけ情報など、さまざまな情報が掲載されたタウン情報誌だ。今でも学生からファミリーまで、幅広い年代の人々に愛されて、長い間、刊行され続けている。
「ありそう?」
本棚の前に移動してかがみ込む彼に尋ねる。彼は無言だったが、立ち上がったときには一冊の雑誌を手にしていた。
「ミックスはこの一冊だけ。地域に特化した情報誌は基本、買取してないからね」
「見ていい?」
「どうぞ」
情報誌を受け取り、発行日を確認する。5年前の12月になっている。表紙には鶴川のおすすめ特集と書かれているから、うららが手放したという雑誌はこれに間違いないだろう。
ページをめくっていくと、鶴川城や城下町の食べ歩きスポット、さらには六坂神社の恋岩が数ページに渡って紹介されている。そして、鶴川のグルメばかりが載るページにたどりつく。
「カフェ・アマクサって名前だった? おばあさんのカフェ」
城下町から少し足を伸ばして、というコーナーに、自然豊かな場所にあるカフェという文字を見つけた。そこには、見慣れたレンガ造りの建物があった。
「ああ、それ。それだね、祖母のカフェ」
彼はあまり覚えがないようだ。
「その雑誌をね、うららちゃんが父に買い取ってもらったらしいの。もしかしたら、まだまろう堂にあるかもしれないと思って」
「探してみようか?」
「うん、どんなケーキが紹介されたのか見てみたくて」
「雑誌の名前はわかる?」
早速、天草さんは古本の在庫を管理しているパソコンに手を伸ばす。
「この地方の情報誌だと思う。月刊で発売されてて、5年くらい前にはあった雑誌だから、たぶん……」
「ミックスかな?」
「あっ、それ。たぶん、それだと思う」
ミックスはグルメや美容、お出かけ情報など、さまざまな情報が掲載されたタウン情報誌だ。今でも学生からファミリーまで、幅広い年代の人々に愛されて、長い間、刊行され続けている。
「ありそう?」
本棚の前に移動してかがみ込む彼に尋ねる。彼は無言だったが、立ち上がったときには一冊の雑誌を手にしていた。
「ミックスはこの一冊だけ。地域に特化した情報誌は基本、買取してないからね」
「見ていい?」
「どうぞ」
情報誌を受け取り、発行日を確認する。5年前の12月になっている。表紙には鶴川のおすすめ特集と書かれているから、うららが手放したという雑誌はこれに間違いないだろう。
ページをめくっていくと、鶴川城や城下町の食べ歩きスポット、さらには六坂神社の恋岩が数ページに渡って紹介されている。そして、鶴川のグルメばかりが載るページにたどりつく。
「カフェ・アマクサって名前だった? おばあさんのカフェ」
城下町から少し足を伸ばして、というコーナーに、自然豊かな場所にあるカフェという文字を見つけた。そこには、見慣れたレンガ造りの建物があった。
「ああ、それ。それだね、祖母のカフェ」