私と先生の秘密の時間
久しぶりに生物準備室に来た。
いつも藤本さんがいるからって私まで張り合ってしまったら先生が困ってしまうと思ったから。
それに受験勉強も追い込みになってるから忙しかった。
だから先生と直接話すのはすごい久しぶり。
今日は先生からおいでと言われて来たから大丈夫なのだろう。
何だか緊張する。
ドアをノックするといつものように「どうぞ。」と言う先生の声が聞こえた。
私が「失礼します。」と言って中に入ると先生は私だとわかり優しく笑った。
私はギューと抱きついて先生の温もりを感じていた。


「雪乃、大丈夫だった?不安になってない?」


先生が私に聞いてきた。


「不安にはなってないけど寂しかった。すごく会いたかった。ギュッてしたかった。ギュッとして欲しかった。」


私は自分の今の気持ちを素直に伝えた。
先生もギュッと抱きしめて「俺も寂しかった。会いたかった。抱きしめたかった。雪乃と同じだよ。」と言ってくれた。
たとえ会える時間が少なくなっても私も先生も何も変わらない。
お互いがお互いを大切に思ってるから。
そのことをすごく感じた。
先生とは今の現状と受験のことについて話をした。
ここで受験の心配をしちゃうあたりが先生っぽいなと思ってしまった。
先生の方は相変わらず藤本さんがべったりという状態らしい。
担任だから接点も多くて距離を置くのが難しいみたい。


「雪乃に嫌な思いをさせてごめんね。」


「先生謝ってばかり。そんなに謝ると私不安になっちゃうよ。」


冗談でそうに言うと先生が焦って


「分かった。もう言わないから不安にならないで。雪乃が不安になったら心配で落ち着いていられない。」


こんなに大切にしてもらえて幸せだなぁと改めて思った。
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