《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
「きゃっ」
驚いて変な声が出た。
見上げると翼の睫毛が上を向いており、黄金の瞳が橙色《とうしょく》の部屋の光を映している。
こんな時であっても、レオヴァルトの蜂蜜色の瞳はユフィリアを虜にする……ああ、なんて綺麗なんだろう。
「……っ、あの、ね……ちょっと、触ってみたくなって」
硬さ具合を確かめていたとは、流石に言えやしない。
「ん?」
「だから、その……胸の筋肉って、堅いのかなぁ、なんて」
すぐ目の前にあるレオヴァルトの顔が、微笑んでいる。
それはきっと、案じていたユフィリアが目覚めた事への安堵の笑みだ。
「ふっ、元気そうだな。まったく私の大事な聖女様は。頼むからこれ以上、心配性の夫を心配させてくれるな」
ふわりと抱きすくめられる。筋肉質の胸板がいよいよ鼻先に迫った。
「良かった……。もう目を覚まさないのではと案じていた」
ここまで近づいてみて初めて知るが、レオヴァルトの筋肉は彼がいつもつけているムスクの香水とは違い、湯浴み後の石鹸のいい匂いがする。
筋肉と汗臭さはお友達だと思っていたが、そうではないらしい。
驚いて変な声が出た。
見上げると翼の睫毛が上を向いており、黄金の瞳が橙色《とうしょく》の部屋の光を映している。
こんな時であっても、レオヴァルトの蜂蜜色の瞳はユフィリアを虜にする……ああ、なんて綺麗なんだろう。
「……っ、あの、ね……ちょっと、触ってみたくなって」
硬さ具合を確かめていたとは、流石に言えやしない。
「ん?」
「だから、その……胸の筋肉って、堅いのかなぁ、なんて」
すぐ目の前にあるレオヴァルトの顔が、微笑んでいる。
それはきっと、案じていたユフィリアが目覚めた事への安堵の笑みだ。
「ふっ、元気そうだな。まったく私の大事な聖女様は。頼むからこれ以上、心配性の夫を心配させてくれるな」
ふわりと抱きすくめられる。筋肉質の胸板がいよいよ鼻先に迫った。
「良かった……。もう目を覚まさないのではと案じていた」
ここまで近づいてみて初めて知るが、レオヴァルトの筋肉は彼がいつもつけているムスクの香水とは違い、湯浴み後の石鹸のいい匂いがする。
筋肉と汗臭さはお友達だと思っていたが、そうではないらしい。