《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
——クズとか無能とか貶《けな》されるのは平気。でも《《見られる》》のは平気じゃない。
ふと気づけばレオヴァルトの視線が刺さる。
ユフィリアが見返せばすっと目を逸らす。仕返しをすべく睨めつければレオヴァルトが落ち着きを失くして狼狽える……今日は半日そんな事を繰り返していた。
——私を監視してるっていうのはわかる。けど《《あれ》》はいったい、何のつもり……?
これまで他の聖女たちと同様にダメ出しを浴びせてきたレオヴァルトが、突然こんなことを言った。今朝も日課のごとくユフィリアを無能呼ばわりしてきた聖女に対してだ。
『東洋の古い格言で《脳ある鷹は爪を隠す》というものがあるのを知らないか? 有能な者ほどその力を隠すという意味だ』
レオヴァルトは何故だが、今日は一度もユフィリアを《無能だ》と言わなかった。それどころか格言を持ち出してユフィリアを擁護するように見えたのは気のせいだろうか。
そして極めつけは《《これ》》である。