《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!

 レイモンド司祭が悟った通り、教会に張り廻らされた結界を破ることなどレオヴァルトにとってはたやすかった。
 門番のいなくなった教会の出入り口の結界を部分的に消し去ると、唇に指先をあてて詠唱を唱え、転移魔法を使って愛馬を呼び出した。少々強引だが時間がないのでやむを得ない。
 結界の裂け目から馬に乗って外に出る。裂いたところは跡形も残さずきれいに修復しておいた。

 ——何処に行ったんだ

 馬を歩かせながら見回すが、林に囲まれた教会の周囲にはそれらしき気配は見当たらない。ふと見上げれば、拳ほどの大きさの光の塊が三日月の下に浮かぶようにして飛んでいる。

「あれだ……!」

 まさか、という思いがよぎる。

『美しい銀髪を靡かせながら月の下を飛び、貧しき者たちを救う月夜の女神』。

 

 
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