《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
契約という名の結婚
「互いに利害一致の結婚、いわゆる《契約婚》というやつだ」
「けい、やく、こん……」
レオヴァルトは尚も続ける。
「レイモンド卿は私の望むものと引き換えに、聖女ユフィリアを手名付け、私との結婚でグラシアを強大化させる事を条件に出してきた」
──やっぱりね。
ユフィリアは眉を引き攣らせた。レイモンド司祭がこの黒騎士を婚約者にあてがった理由は、ユフィリアの想像通りだったと言える。
「だが傲慢で手強い聖女ユフィリアを生ぬるいやり方で落とすのは簡単じゃないし、不効率だろう?」
── 確かに私、傲慢で手強いからなぁ……って、なにを納得してるのよ私!