《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
掴まれていた手がようやく解放されてホッとする。
ああ、今度は色仕掛けですか。
あの腹黒司祭が考えそうなことだとユフィリアは唇を噛んだ。
「おとなしく私の妻になってくれれば、私もおまえの望みを叶えてやる。それに」
レオヴァルトは真剣な眼差しを崩さない。
「互いに望むものが無事に手に入ったら、婚姻関係は解消すればいい」
──また《おまえ》に戻ってるし。こっちが要求を受け入れたらこれだもの。
「お互いの望みが叶うまでの期間限定婚ってことね?」
「その通りだ。理解が早いな」
「お互いの利害一致はいいけど。あなたに私の望みが叶えられるのかしら?」
「私は万能だからな。なんでも叶えてやる。言ってみろ」
——私のことを傲慢だとか言っておいて。自分のことは万能だなんて、傲岸蕪村はそっちでしょ……
なによ。魔力が微弱で、手品みたいな陳腐な魔法しか使えないせにっ。
口に出したくなるが、堪えた。レオヴァルトとここでやり合っても仕方がない。