《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
「……どうやら買いかぶりが過ぎるようだ」
「買いかぶり? あらそうかしら。このわたくし自らが実力を認めたあなたを、《《夫にしてあげる》》と言っているのです。あなたはそんな自分を誇りに思って良いのよ?」
「ふははっ、それは。勘違いが甚だしいな!」
「ふふ、なぁに? どういう事かしら」
形良い口元から漏れた笑い声に、イザベラも頬を緩めた。
しかし気を良くしたのも束の間、レオヴァルトの次の一句に言葉を失った。
「自分を買いかぶっているのはおまえだ、イザベラ。自惚れるのも大概にしろ。おまえごときでは、この私を満足させられないと言っている」
目を眇め、レオヴァルトはきっぱりと吐き捨てる。
「顔が赤いぞ。まるで餌を横取りし損ねた猿だな」
「なっ……! なんですって?!」