《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
「あのう……イザベラ様……平気、ですか……?」
レオヴァルトの背中を見送りながら、聖女のひとりが様子を伺うように言う。
平気なわけがない。
胸の中にぬらぬらと立ち昇る、激しい怒りと失望と羞恥心──それに 《人生初の失恋》までもが、突然、津波のように押し寄せたのだ。
「イザベラ様……?」
案じた聖女たちが口々に声をかけてくる。
けれど血が滲むほどに唇を噛み締め、虚空を睨みつけたまま、イザベラは身じろぎもせずに立ち尽くしていた。
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くぅぅ。
自室に戻ると、盛大に腹が鳴った。
「あ〜あ、お腹すいたなぁ。寝坊しちゃって朝ごはん食べ損ねたし……いつもの廊下は《《通れなかったし》》?」