《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
「ユフィリア、無事か?!」
レオヴァルトが素早く敵側の背後に結界を張ったのがわかる。相変わらず抜かりが無い。
敵兵に背を向けて走る馬の背に揺られながら、ぎゅうっと閉じていた目を開けた。
ほら、やっぱり。
「レオったら、心配そうな、顔してる」
「心配してるんだから当然だ……!」
「と言うか……やりすぎだよ……また一つの命を奪った」
「いや、あなたに触れた輩は切り刻んで魔獣の餌にしたって生ぬるい」
なぜだかとてもぼうっとしていて、目の前にある端正な顔がぼやけて見える。
そういえば、あのくそったれ騎士が媚薬を嗅がせたとか何とかほざいていたっけ。
「放せって、忠告……したんだよ? レオは私を攫った奴を……きっと許さないから」
──これは妄言? それとも、ちゃんと言葉にできていたのかな。
黒馬が賭ける大地には無数の屍が転がっている。つい数時間前まで、温かな血の通った生身の人間として息をしていた者たちだ。
死と隣り合わせの戦場で、どんな危険が迫った時もレオが盾となって必ず私を守ってくれた。だからこそ私は、こうして脆く儚い命を今日まで繋いで来られたのだ。
そう……レオヴァルトはユフィリアに手を触れようとする者を決して許さなかった。
レオヴァルトが素早く敵側の背後に結界を張ったのがわかる。相変わらず抜かりが無い。
敵兵に背を向けて走る馬の背に揺られながら、ぎゅうっと閉じていた目を開けた。
ほら、やっぱり。
「レオったら、心配そうな、顔してる」
「心配してるんだから当然だ……!」
「と言うか……やりすぎだよ……また一つの命を奪った」
「いや、あなたに触れた輩は切り刻んで魔獣の餌にしたって生ぬるい」
なぜだかとてもぼうっとしていて、目の前にある端正な顔がぼやけて見える。
そういえば、あのくそったれ騎士が媚薬を嗅がせたとか何とかほざいていたっけ。
「放せって、忠告……したんだよ? レオは私を攫った奴を……きっと許さないから」
──これは妄言? それとも、ちゃんと言葉にできていたのかな。
黒馬が賭ける大地には無数の屍が転がっている。つい数時間前まで、温かな血の通った生身の人間として息をしていた者たちだ。
死と隣り合わせの戦場で、どんな危険が迫った時もレオが盾となって必ず私を守ってくれた。だからこそ私は、こうして脆く儚い命を今日まで繋いで来られたのだ。
そう……レオヴァルトはユフィリアに手を触れようとする者を決して許さなかった。