《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
ユフィリアの切り替えの素早さには感心してしまう。
空になったグラスをテーブルの上に置くと、ユフィリアは両手を高く掲げて頭の上で組む。そして「んあぁぁ!」と大きく伸びをした。
「そう。私はきっと、ルグランの《二の腕》が好きだっただけ。彼の《二の腕》に惚れてただけなの。私とした事が、あの男のねちこい口ぶりにいよいよ絆されたって思ってたけど! 実は二の腕にやられただけだったのよ、きっとそう」
ユフィリアはまるで自分自身に呆れるふうにやれやれと首を振る。
横で見ているグレースは苦笑い。
ユフィリアは実際、男性を二の腕の逞しさ・形の良さで判断するところが、あるにはあった。
「ユフィが《男性の筋肉と二の腕フェチ》なのは知ってるけど……」
「だから、そういう事っ! いっそ頭切り替える。イザベラ目当ての当て馬にされたってのは癪に障るけど、そもそもルグランの事なんかこれっぽっちも興味なかった訳だし? それに……」
これっぽっちも、をやたら強調した物言いだ。
泣き出しそうだった表情はどこへやら。今度は悩ましげに眉を顰め、思案に暮れている。
「あのいけすかない黒騎士も、どうにかしなきゃだし」
「ねぇユフィ、あの黒騎士って……」
「うん。勝手に婚約させられちゃったみたい。既成事実を作られたって言うのかな、なんか、そんな感じ?」
顎に指を当てて宙を睨みながら、ユフィリアはまるで他人事のように言う。
「えええ──っ!」
グレースの頭が追いついていない。
空になったグラスをテーブルの上に置くと、ユフィリアは両手を高く掲げて頭の上で組む。そして「んあぁぁ!」と大きく伸びをした。
「そう。私はきっと、ルグランの《二の腕》が好きだっただけ。彼の《二の腕》に惚れてただけなの。私とした事が、あの男のねちこい口ぶりにいよいよ絆されたって思ってたけど! 実は二の腕にやられただけだったのよ、きっとそう」
ユフィリアはまるで自分自身に呆れるふうにやれやれと首を振る。
横で見ているグレースは苦笑い。
ユフィリアは実際、男性を二の腕の逞しさ・形の良さで判断するところが、あるにはあった。
「ユフィが《男性の筋肉と二の腕フェチ》なのは知ってるけど……」
「だから、そういう事っ! いっそ頭切り替える。イザベラ目当ての当て馬にされたってのは癪に障るけど、そもそもルグランの事なんかこれっぽっちも興味なかった訳だし? それに……」
これっぽっちも、をやたら強調した物言いだ。
泣き出しそうだった表情はどこへやら。今度は悩ましげに眉を顰め、思案に暮れている。
「あのいけすかない黒騎士も、どうにかしなきゃだし」
「ねぇユフィ、あの黒騎士って……」
「うん。勝手に婚約させられちゃったみたい。既成事実を作られたって言うのかな、なんか、そんな感じ?」
顎に指を当てて宙を睨みながら、ユフィリアはまるで他人事のように言う。
「えええ──っ!」
グレースの頭が追いついていない。