《連載中》波乱の黒騎士は我がまま聖女を甘く蕩かす〜やり直しの求愛は拒否します!
「ほら、私って神聖力が微弱すぎるでしょ? だから教会側は早く結婚させたいんだと思う」
特にあのレイモンドがね、とユフィリアはウィンクしながら付け加えた。
「じゃあユフィは、知らない男の人をいきなり婚約者に仕立て上げられたってこと?」
「そういう事みたいね」
──おまえが聖女として無能だからじゃないのか。
不意にレオヴァルトの嫌味な微笑みが浮かんで、ユフィリアはむっ、と唇を尖らせた。
「そう言えば、あの時……」
大聖堂で卒倒し、レオヴァルトに身体を支えられていた時だ。
『ユフィリア。』
自分の名を呼ぶ懐かしい声を、耳の奥で聞いたような気がした。
「第二王子、殿下……?」
思わず口を突いて出た言葉にグレースが首を傾げるのを、「ううん何でもない」とふるふる首を振る。
──グレースにも、言えないけど……っ。
私はきっともう、本気の恋は出来ない。
『ユフィリア、愛してる』
──顔も思い出せないあの人は、あの人の『愛してる』は。
どうして今でも、私の心をこんなにも揺さぶるのだろう?
『まだ言ってない、あなたを愛してるって』
──そう……私はまだ、前世の「恋」を引きずっている。
大切だった《《あの人》》を、忘れられずにいる。
ユフィリアが考え事をしている間に、グレースもどうにか落ち着いたようだった。見れば葡萄ジュースを幸せそうに啜っている。
「……でも、彼。遠目に見ただけだけれど、ワイルドな感じがちょっとかっこよくなかった?」
降って沸いたような《かっこよい》という言葉に、ユフィリアは世界が終わったような声で「グレース……」と反論。
特にあのレイモンドがね、とユフィリアはウィンクしながら付け加えた。
「じゃあユフィは、知らない男の人をいきなり婚約者に仕立て上げられたってこと?」
「そういう事みたいね」
──おまえが聖女として無能だからじゃないのか。
不意にレオヴァルトの嫌味な微笑みが浮かんで、ユフィリアはむっ、と唇を尖らせた。
「そう言えば、あの時……」
大聖堂で卒倒し、レオヴァルトに身体を支えられていた時だ。
『ユフィリア。』
自分の名を呼ぶ懐かしい声を、耳の奥で聞いたような気がした。
「第二王子、殿下……?」
思わず口を突いて出た言葉にグレースが首を傾げるのを、「ううん何でもない」とふるふる首を振る。
──グレースにも、言えないけど……っ。
私はきっともう、本気の恋は出来ない。
『ユフィリア、愛してる』
──顔も思い出せないあの人は、あの人の『愛してる』は。
どうして今でも、私の心をこんなにも揺さぶるのだろう?
『まだ言ってない、あなたを愛してるって』
──そう……私はまだ、前世の「恋」を引きずっている。
大切だった《《あの人》》を、忘れられずにいる。
ユフィリアが考え事をしている間に、グレースもどうにか落ち着いたようだった。見れば葡萄ジュースを幸せそうに啜っている。
「……でも、彼。遠目に見ただけだけれど、ワイルドな感じがちょっとかっこよくなかった?」
降って沸いたような《かっこよい》という言葉に、ユフィリアは世界が終わったような声で「グレース……」と反論。