激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
どうしよう。
紫緒は目の前のぐでんぐでんに酔った大晴に戸惑った。
「飲み過ぎよ」
「だいじょーぶ」
聞き取れるが、呂律が回ってない。
彼はまたグラスを煽る。が、空だった。タブレットを手に、追加注文しようとする。
「もう飲んじゃダメだよ」
「うるへー」
そういえば彼は素直じゃなかった。
「私はもう飲めないから、つきあって飲むのやめてくれるとうれしいんだけど」
「仕方ないな」
彼は酒をやめて、ウーロン茶を頼んだ。
これは一人では帰れないだろう。送ってあげたいが家はどこなのか。素直に教えてくれるだろうか。
「お前さ、幸せに生きてきただろ」
ふいに聞かれて、紫緒は目をしばたいた。
「お前みたいなやつ、大嫌い」
面と向かって言われて、紫緒はむっとした。酔っ払いのたわごとなのに。
「私だってそれなりに苦労したよ。前の会社では社長令嬢にいじめられて退社に追い込まれて。今だって、頑張ってるけどぜんぜんダメで」
「そうなんだ」
大晴は顔を隠すようにテーブルにつっぷした。