激流のような誠愛を秘めた神主は新米巫女を離さない
 子供には優しいんだ。
 紫緒の顔は自然とほころんでいた。
「なに笑ってんだよ」
 ふてくされた大晴に、紫緒はまた笑った。



 居酒屋では、ダンサーによるロボットダンスやドローンのショーもあった。
 お酒が入った大晴はVRについて熱く語った。

 ニューヨーク市警ではテロ対策の訓練にVRを取り入れたとか、日本の警察でも事件現場の保存にVRを使い始めたとか。

 彼のVRアートの動画も見せてもらった。
 ビルの一室に彼がいるところからスタートしていた。四隅には柱が立っている。
 顔にはゴーグル、両手にはコードのない操縦桿のようなものを持っている。

 音楽とともに画面が切り替わる。
 真っ暗な空間に彼が佇んでいた。まるで空中に浮いているみたいだ。

 彼が手を動かすと、青い曲線が現れた。
 空中にペンキを塗ったかのようだった。彼が右手を動かすたび、曲線が重ねられていく。

 彼が左手を振ると空中にパレットが出現した。その中から色を選び、また色を重ねていく。

 描き終えた彼の前に、巨大な青い龍が現れた。
 体をくねらせ、今にも飛び立っていきそうだ。

「すごい! どういう仕組みなの?」
「柱のセンサーが立体的に動きを認識するんだ。それを画面外の高性能パソコンで処理してる。ゴーグルで空間を共有すれば、もっと臨場感がある」

「いいなあ、見てみたい」
「今度見せてやるよ」
「いいの!?」
 紫緒が目を輝かせると、大晴は頬を染めてそっぽをむき、グラスを煽った。
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