🍞 ブレッド 🍞 ~フィレンツェとニューヨークとパンと恋と夢と未来の物語~【新編集版】
その日はいつもより客が多く、昼食にありつけたのは2時を大幅に回っていた。
一息付いて食後のカプチーノを飲んでいると、アンドレアから電話がかかってきた。
フローラとのことを心配してかけてきたようだったので、正直にありのままを話した。
「まだ来ないのか……」
スマホから聞こえる声が尻切れとんぼになった。
「嫌われているのかな?」
「そんなことはないと思うよ。彼女も忙しいんじゃないの」
「そうかもしれないけど……」
今度は弦の声が尻切れとんぼになった。
「もう一度書いて送ったら」
「返事が来ていないのに?」
「そう。今度は自分の言葉でね」
代筆だったから気持ちが通じなかったのかもしれないと付け加えた。
「自分の言葉か~」
「そう。素直な気持ちを書けばいいんだよ」
「素直ね~」
「考えすぎない方がいいと思うよ。日記のような感じで書けばいいんだよ」
「日記か~」
日記は小学生の時以来書いたことがなかった。
「便箋に一枚くらい書けるだろ」
「まあね」
「それを毎週送るんだよ」
「毎週?」
声がひっくり返りそうになった。
「それはちょっと」
そんなことをしたら却って嫌われると反論すると、「そんなことはないよ」と即座に否定され、「それに、手紙だけでなくパンの写真を入れたら喜ぶと思うよ」と新たな提案をされた。
出来立てのパンを両手に持った写真を送れば喜んでくれるという。
「でも、写真はフローラだけに送るのはダメだよ」
ウェスタにも送れという。
そうすれば、その写真を見ながらフローラとウェスタが弦のことを話題にするとアンドレアが請合った。
「そうかな~」
弦は気乗りがしなかったが、アンドレアはそれを許さなかった。
「悩んでいる暇があったら行動を起こすべきだと思うけどね」
そして、「じゃあ」と言っていきなり通話が切れた。
弦はなんの音も発しないスマホを見つめてため息をついた。
一息付いて食後のカプチーノを飲んでいると、アンドレアから電話がかかってきた。
フローラとのことを心配してかけてきたようだったので、正直にありのままを話した。
「まだ来ないのか……」
スマホから聞こえる声が尻切れとんぼになった。
「嫌われているのかな?」
「そんなことはないと思うよ。彼女も忙しいんじゃないの」
「そうかもしれないけど……」
今度は弦の声が尻切れとんぼになった。
「もう一度書いて送ったら」
「返事が来ていないのに?」
「そう。今度は自分の言葉でね」
代筆だったから気持ちが通じなかったのかもしれないと付け加えた。
「自分の言葉か~」
「そう。素直な気持ちを書けばいいんだよ」
「素直ね~」
「考えすぎない方がいいと思うよ。日記のような感じで書けばいいんだよ」
「日記か~」
日記は小学生の時以来書いたことがなかった。
「便箋に一枚くらい書けるだろ」
「まあね」
「それを毎週送るんだよ」
「毎週?」
声がひっくり返りそうになった。
「それはちょっと」
そんなことをしたら却って嫌われると反論すると、「そんなことはないよ」と即座に否定され、「それに、手紙だけでなくパンの写真を入れたら喜ぶと思うよ」と新たな提案をされた。
出来立てのパンを両手に持った写真を送れば喜んでくれるという。
「でも、写真はフローラだけに送るのはダメだよ」
ウェスタにも送れという。
そうすれば、その写真を見ながらフローラとウェスタが弦のことを話題にするとアンドレアが請合った。
「そうかな~」
弦は気乗りがしなかったが、アンドレアはそれを許さなかった。
「悩んでいる暇があったら行動を起こすべきだと思うけどね」
そして、「じゃあ」と言っていきなり通話が切れた。
弦はなんの音も発しないスマホを見つめてため息をついた。