任侠☆バイオレンスラブ


樹さんの隣を歩いて部屋まで戻り、学校へ行く準備をする。



制服に着替えたあと、着ていたスウェットを畳む。



この服、結構大きかったけど誰のなんだろう。



Lサイズって書いてあったけど、普段Mサイズを着てるけど、1サイズ違うだけであんなに大きいわけない。



もしかして、メンズ物・・・?



まぁ、誰のであれ洗って返さないと。



そう考えながら、支度を済ませて畳んだスウェットと荷物を持って部屋を出た。



パタン、と扉を閉めたあとにスウェットを洗濯機に入れようと風呂場のある場所へと向かおうとした時、隣の部屋の扉が開いた。



「なんだ、早かったな」



「あ、はい。着替えるだけだったので 」



「そうか」



顔を出した樹さんは、既に準備が終わった私を見て驚いたような表情をしていた。



「おい。それ、こっちに寄越せ」



「え?このスウェットですか?自分で洗濯して貸してくれた人に返すので大丈夫です」



「貸したのは俺だ。俺に返してくれればいい」



「え?・・・でも・・・」



このスウェット、樹さんのだったんだ。



通りで大きいわけだ。



だけど、寝てる時に汗とかかいてそうだし、洗って返したいんだけど・・・。



そう思いながらスウェットをギュっと抱きしめていると、ふぅ・・・と一息つく樹さん。



「洗濯に出すから、貸せ」



「え?あ・・・でも、私が・・・」



「じゃあ、風呂場行くぞ。洗濯機はそこにあるから。基本女将さんが洗濯物まわすからお願いしろ」



私の意思をくんでくれるようで、少し呆れながらもお風呂場まで連れてってくれるみたい。



まだ場所があやふやだったからありがたいな。



「ありがとうございます」



「気にすんな」



隣を歩く樹さんの横顔を見つめながら、お礼を言うと、前を見たままつっけんどんに返事をする樹さん。



歩いていくとすぐにお風呂場にたどり着き、スウェットを洗濯機の中に入れた。



「結構時間押してんな・・・車だしてやるから乗ってけ」



洗濯機の中に入れたあと、腕時計を見た樹さんは私の方を向いて声をかけてくる。



だけど、昨日調べた時はここから学校までの道はそう遠くないはずだ。



歩いて行けるはず。



「いえ、大丈夫ですよ。歩いていきます」



「ここから学校までの道わかんねぇだろ。それに、1人で歩かせると浜松組の奴に狙われるだろ?大人しく送られろ」



「・・・はい、お願いします」



「あぁ」



樹さんの優しい返事を聞いたあと、一緒に外へと向かった。



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