Nightmare of Light.




娘と嫁に危害を加えられようものなら、自らが悪になってまでも守ろうとするんだから。


天道 陽太。

この男の過去だって、俺なんかよりずっとずっと重いものがある。



「じゃあ俺が家族優先させて仕事サボったら、おまえどーする?」


「…そりゃ、かばう?」


「ふむ。どんな感じに?」


「……出るとこ出てまで?」


「よし、ごーかく。ついてきな」



やれやれと困った表情を浮かべながらも、俺に対する殺意は完全に消えていた。

自分からあたまを下げたにも関わらず、なぜか戸惑っているのは俺のほう。



「うちのアタマは俺より親バカだし、とある女に対してだけはエグいくらいの執着心を昔から持ってるけどね。……信頼できるサイコーな俺の親友だから」



しっかり勉強するんだよ、ニコ。

友達が居なくなって寂しい思いさせちゃったかもだけど、おまえには海人だっている。

ジローに矢野だって。


ニコ。

これからはぜったい裏切らない存在を作るんだ。


おまえの小さな小さな音に耳を傾けてくれる、そんなヤツだよ。



「ああそれから、呼ぶときは天道“さん”。言っとくけど立場も人生経験も比にならないくらい俺のが上だからね」


「ハイ。天道サン」


「はーっ。こりゃまた長期戦になりそうな教育の予感だわー」



────俺は今日から、天鬼組の羽倉 憂巳になる。



< 274 / 355 >

この作品をシェア

pagetop