Nightmare of Light.




「うお~っ!これデミ!?チーズ乗ってんじゃん!」


「腹減った~!いっただっきまーす!」



朝よりも夕方のほうが居間に舎弟が揃う。

朝に弱い男ばかりだそうで、彼らにとっての活動時間は主に夕方から夜にかけて。


そしてここはある意味タダ飯が食べられる場所でもあるらしい。


今日はハンバーグ。


いつも台所に構えている使用人のひとりである鹿波(かなみ)さんは、一見すると優しいおばさん。

彼女と一緒に作ったデミグラスソースたっぷりのハンバーグは、怖い男たちにも人気メニューなんだと。



「ニコが作ったって本当か!」


「マジうめーぞ!」



笑ってくれている。
美味しいってみんなが言ってくれている。

でもそこにゆーみがいないから、わたしは寂しいのだ。


ゆーみだったら、なんて言ってくれてたかな……。


としてもわたしは具材を混ぜ合わせて不恰好な形を作っただけで、ほとんど鹿波さんの腕だった。



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