Nightmare of Light.




「じ、ろ、」


「お!また呼んだ!どしたー?」



前髪をピンで留めているチャラいジローは、いつも矢野さんにペコペコと頭を下げているひとりだ。


電子パッドに文字を書く。

ハンバーグをモグモグと口に含みながら、ジローは気にしてくれていた。



【ゆーみが好きな食べ物、おしえて】


「カシラ?あーっと、たしかカシラはああ見えて意外と和食が好きなんだよな…」



はやく教えてと、わたしは電子パッドをジローに押し付ける。



【天ぷら】



字、あんまし綺麗じゃない…。

ゆーみのほうが読みやすいし、大きく書いてくれるから気遣いを感じる。


でもジローっぽいと、わたしは満足だった。



(天ぷら……)



って、なんとなく簡単そうだ。

冷蔵庫に野菜はたくさんあったから、カボチャの天ぷらとかはどうだろう。


そうすればゆーみ、天ぷらに釣られて帰ってきてくれるかな。



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