Nightmare of Light.
「ニコ、ニコ」
とんとん。
肩が叩かれて、膝を抱えていたわたしはゆっくり顔を向けてみる。
「ひょーひゃおえひょへんひゃおひゃっ!!(どーだオレの変顔はっ!!)」
「……………」
「ではここでジロー、渾身の1発ギャグしまーす!ここをこうして……こう!まるで背中とお尻のラブストーリーやないか~い!!つってな!?」
「……………」
「………せめて嘘でもいいから優しさとかさ、見せてくんね?」
バタバタひとりで変なポーズをしているジローに、手話で“意味がわからない“と伝える。
それを矢野さんか通訳しては、ジローはもっと肩を落とした。
「にっっが。なにこれ、気ぃ狂ってセンブリでも揚げた?」
「っ!!!か、カシラ……!!」
ジローが勢いよく飛び上がるより前に、もしかするとわたしのほうが早く見つけていたかもしれない。
いつの間にか座卓の前にしゃがんで真っ黒な天ぷらを興味本位に口にしているスーツ姿は、わたしの心にやっとお日さまを当ててくれた。